無為♪皆♪混沌の場H

~感じる言葉、考えるアッシ~

郵便ポストを探して

自宅の隣駅で降りた。

 

郵便ポストがどこにあるかわからない。

まあ、自宅最寄り駅で投函すればいいんだけど、なんとなく。

 

バス停からちょっとはなれたところに一人で座っている若い女の子発見。

この子に聞いてみよう。

時刻はまもなく23時。

おっさんが声かけて(ってちょっと暗いし、そんなにおっさんには見えないと思うけど)、警戒はされるだろうから、マスクも取って、少しはなれたところから声かけた。

 

「すみません、郵便ポストどこにありますか?」

 

あ、イヤホンしてた。

 

「あの辺に…」

 

久しくイヤホンというものをしていなかったから忘れていたが、イヤホンしていても聞こえるもんは聞こえるか。

(うわ、うつむいていたからわからなかったけど、思ったよりかわいいぞ、この子)

 

「あの辺にあったと思います。あっちの方に」

(そういえば、あっち、郵便局だったっけかなあ…)

 

「とりあえず行ってみます。ありがとうございます」

 

あの辺、行ってみたら、あっさり見つかった。

ちょうど救急車が止まってた。

 

はがき投函。

福岡の実家に帰ってるであろう女の子に。

住所は彼女の職場しか知らないので、そっちに出したんだけどね。

 

電車に乗る前に、かわいかったから(笑)、お礼を行ってから帰ろうかな。

改札入る前に、次の電車の時刻確認。まだ5分以上ある。

発車1分前まで会話しようかな。

 

お礼、なんて言う?いや、お礼の一言は決まってる。

かわいいという外見以外に、なんていえば喜んでもらえる?

考えろ、考えろ。内面、内面…。外見から内面への二段褒め…。

 

彼女の前にまた来た。

あれ、耳をふさいでいる。

そんなに音楽に集中しているのか?

それとも深く悩んでいるのか?

 

声をかけるのやめようかと思った。

邪魔しちゃ悪いかな。

 

でも、思い切って再び声かけた。

 

「あのっ」

気づいてくれた。

「あの、すぐわかりました。ありがとうございます」

こっちを見た顔は悩んでいるそれではないかな。

邪魔するなって顔でもない。

性格良さそうな子だなあ。

「あの辺、救急車のところに」

「やっぱりそうですよね」

「あの…かわいい上に、親切で、いい人ですよね!」

自分でも言いながら、ちょっと照れた。

「そんなこと、全然ないです。全然…」

ぱあっと明るい顔になった。

ああ、幸せ~~♪

 

でも、やっぱり失恋かなと思った。

 

じゃあ!という感じでもう一度「ありがとうございました」半身で言った。

(本当はもう少しおしゃべりしたかったけど…自分の気持ちと向き合わずに逃げちゃった)

 

改札に来る。まだ時間あるな。

もう一度行こうか迷ったが。

 

彼女の方を見ると、かがんでいたのがいったん背筋伸ばして、さあ、行こうかという風にも見えた。

やっぱり失恋?

 

改札通って、エスカレーター使わず階段昇る。電車の発車時刻までまだ数分あるが、急行との乗り換え待ちで、もう来てる。

半分以上座席は空いていて、とりあえず座った。

 

あの女の子のところにもう一度行こうか、葛藤した。

でも、腰がかすかに重かった。

 

家に帰り、読書メーターでいくつかコメントの返信をさらにし、夜ご飯も食べた。

 

気になる。あの女の子のことが。

まだいるだろうか。

まだいたら、確実に失恋だ。

友達になりたいなと思った。

あと、俺も20年若かったら、単なる友達じゃなく…あ、20年前は新婚1年目だ…、ああまあそういうこと。

 

明日からやる予定の運動会の練習前倒しと称して、自転車で行ってみることに。

 

0時直前につきそう。

もしもいたら、なんて声かける?

「魔法がとける前にお迎えにあがりました」

キザすぎるか。

「あの、さっき郵便ポスト、ありがとうございました。隣の○○に住んでるんです、実は。気になってきちゃいました」

驚くだろうなあ。

 

自転車こぎながら、あっと、ここは妻が結婚する前一人暮らししていたアパート。まだあるんだ…。帰りに少し寄ってみよう、なんてこと考えながら、長袖まくっていたけど軽く汗がTシャツにしみこみながら、ちょっとマスクで呼吸つらいけど、自転車こぐ。

 

近づくと、事前にgoogleで調べたのとちょっと違う道。でも、こっちの方が近い。

ドキドキ…は自転車こいでるからもともとか、改めてはしなかった。

 

いてほしいような、いてほしくないような。

 

はたして、いなかった。

 

彼女が座っていたすぐ横は、バスの降車場だった。その先はバス停?

やっぱり単にバスを待っていただけだったのかなあ。

そうは見えなかったけど。

 

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彼女はこの画像、向かって左の端にたたずんでた。

(それにしてもブレブレ。シャッター速度1/3秒だから、しゃーないけど)

 

二段褒め、実は純粋に(?)試したのははじめてだわ、そういえば。

この本に書いてあります。

 

なぜかモテる男のほめる技術 (PHP文庫)

なぜかモテる男のほめる技術 (PHP文庫)

 

 帰りには、このアパートで、結婚前、セックスしまくったなとか、よくこの道歩いたなとか、思い出に浸りながらゆっくり自転車こぎながら帰りました。