無為♪皆♪混沌の場H

~感じる言葉、考えるアッシ~

実らぬ略奪愛

今回のテーマは略奪愛。

 

まあ、文学なら永遠のテーマだね、きっと。

 

アンソロジーでこんなのもある。

良かったら読んでみてくれ。

 女性作家による女性のための官能小説だ。

 

 

 老眼で文庫本じゃつらいって場合は、単行本を。

 

その場所で、彼女は黙々と自分の仕事をしていた。

 

そんな姿をこっそり撮らせてもらおうとレンズを交換していたら、やつが現れた。

 

彼女は処女ではない。それどころか…。

 

かまわずやつは突進した。

 

彼女は逃げたが、アクロバティックなやり取りの後、彼女はとうとう後頭部をがっしりとつかまれた。

 

これをレイプと呼ばずして、なんという。

 

嫌がって、逃げようとしている…ように見えた。

 

最初は。

 

え?

 

彼女は、応じた。

 

やつに。

 

え?

 

するの?

 

いいの?

 

しばらく暴れているようにも見えたが、やがて落ち着いた。

 

そんな様子を興奮を何とか俺は抑えながら、撮らせてもらった。

(今これを書きながら、生唾をごくりと飲み込んだことを告白させてもらう)

 

さあ、いくよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シオカラトンボの交接

シオカラトンボの交尾

トンボの場合は正しくは交尾と言わず、連結というようだが、あまりこだわらずにここではいこう。

 

トンボの交尾はちょっと変わっている。

 

 

オスは事前に精子の詰まった精嚢を自分のおなか(副性器)に格納する。

(けっして自慰行為ではない)
 オスは目をつけたメスの後頭部をがっしりと尾の先でつかむ。

メスは自分の尾の先をオスの副性器につっこむ。

トンボの場合は、メスの「同意」がなければ、交尾が成立しないのだ。

 

見た目はレイプでも、レイプは成立しえないのだ。

 

が、しかし、頭をつかまれた時点で自動的にスイッチオンになってしまうのかもしれない、見ていて、そんなふうに思った。

 

このメスは、最初、単独で産卵していた。

 

打水産卵。

 

尾っぽの先を水面につけて、卵を産む。

 

その様子を撮ろうとしたのだが、なかなかファインダーに入りきらず、そのうちメスは近くの柵に止まっていったんお休みをした。

 

そこはさすがに撮れたのだが、そのあと産卵を再開したときに、やつが飛んできた。

 

やっとカメラがとらえようとしたその時に、邪魔をされ、まさかの交尾に至った。

 

ヒトの場合は、メスが連続してオスの精子を取り込んだとしても、先に射精をしたほうの精子卵子が合体する確率が高いらしい。

 

だから、男は最初にやりたがる。

 

一方、昆虫の場合は、後からのほうが受精しやすいと何かで読んだことがある。

 

卵子が一つしかないか、多数あるかの違いもあるだろう。

 

かくして、彼女は略奪愛を受け入れ、産卵をまた始めた。

 

オスは、近くを飛んでいる。

 

これを警護飛行と人間界の一部では呼びならわしているようなのだが、とんでもない。

 

メスの浮気監視である。

 

かくして、彼女は産卵を再開した。新しい精子を宿して。

シオカラトンボの打水産卵

シオカラトンボの打水産卵

しかし、この略奪愛は実らない。

 

なぜなら、この小さな水たまりは、やがて干上がってしまうからだ。

 

水たまりのまわりでナンパしようとするオス

水たまりのまわりでナンパしようとするオス

メスが逃げるように飛んでいった後も、オスは次なるターゲットを待ち構えて小さな水たまりの近くを旋回する。

 

絶倫君だが、ここでは子孫は残せない。

 

もっとも、彼女は別の場所でまた産卵をするかもしれない。

すると、彼の遺伝子も残るかもしれない。

 

 

ところで、貴女のスイッチオンは、なに?

キス?